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歯科コラム column

「口起きると音がするけど大丈夫でしょうか?」 「朝起きると顎が開けづらいけどそのままでもいいですか?」

歯科コラム2022/10/04

名東区の歯医者、西山歯科・院長、岩瀬です。

皆さんもこのような体験ありませんか?
意外とすぐ良くなってそのままにしている方が多いですが、実はほっておくと本当に開かなくなったり生活に支障が出てしまうことがあるんですよ。

 

口が開きづらい、顎が痛い原因はなんだと思いますか?

 

口を開けると関節がゴリゴリ音がする、口が開きづらい、カクカク音が鳴る、顎に鈍痛がある、というようなことがある場合、それは顎関節症(がくかんせつしょう)が原因かもしれません。

 

顎関節症はあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、人生の中で約半数の人が経験すると言われているほどありふれたものであり、一時的な症状でおさまることもあります。ですが、中には重症化して辛い症状を引き起こしてしまうこともあります。

 

顎関節症とはどういったものなのか詳しく見ていきましょう。

1.顎関節症はどんな症状が出るか

顎関節症の症状で医療機関を受診する患者さんで多いのは主に女性で、だいたい10代の後半から増えてきます。そして、20~30歳代が最も多く、その後はだんだんと減っていきます。顎関節症の症状として代表的なのは次のようなものです。

 

顎(あご)は微妙に入り組んだ形と複雑な機能をもっています。ここには筋肉と関節と神経が集中し、下の顎をささえています。食事をしたり、おしゃべりしたりすると連動して動いています。この顎の関節やその周囲が何かの原因で痛みや動きにくくなるのが顎関節症です。 最近、あごの関節の不快感を訴える方が増えてきました。あごが思い通りに動かず、食べ物が噛みにくい。あごを動かすと不快な音がする。痛みを感じて口が開かない。さらに症状は顎ばかりでなく、肩こりとか、腕や指のしびれ、偏頭痛、耳や鼻にも不快感を覚えることもあります。 このように症状は広範囲にわたり、人によっては軽い症状から重い症状まで、個人差が大きいのが特徴です。 顎関節症の多くは適切な対処で、日常生活に支障をきたすことがない状態にもっていけるものです。 重い症状の場合、ほうっておくと、進行してあごの機能が完全に破壊されてしまうこともまれにあります。症状があれば早めの診察をお勧めします。

顎関節症と聞くと、顎関節に異常が起きていると想像されるかもしれせんが、顎関節症にもいろんな種類があります。

 

a.筋肉痛タイプ
b.ねんざタイプ
c.クッションのずれタイプ
d.骨の変形タイプ

 

aは「顎関節を動かす筋肉の炎症」
b〜dは「関節の内部の異常」が原因です。

①口を開けると雑音がする

口の開け閉めの際、コキコキというような軽い音や、ゴリゴリというような鈍い音がするケースです。

②顎のつけ根、その周辺に痛みがある

顎の関節や、その周辺の筋肉に痛みを感じているケースです。口を開けたり、関節の部分を押すと痛みを感じたり、その周りにある筋肉に鈍痛を感じます。筋肉の痛みはしばしば奥歯の痛みと認識されて、「歯が痛い」ということで医療機関を受診する場合も珍しくありません。

③口があまり開かない

顎関節の内部にある軟骨がずれてしまい、口を開ける際にその部分が引っかかってしまって口を大きく開けることができなくなるケースです。

 

*顎関節症が原因と見られる副症状

 

代表的な症状以外にも、顎周辺だけでなく全身の様々な部位に症状が現れることもあります。

  1. 頭痛、首や肩・背中の痛み、腰痛、肩こりなどの全身におよぶ痛み
  2. めまい、耳鳴り、耳がつまった感じ、難聴
  3. 眼のつかれ、充血、涙が出る
  4. 鼻の症状(鼻がつまった感じがする)
  5. 顎が安定しない、噛み合わせがうまくできない。
  6. 歯の痛み、舌の痛み、味覚の異常、口が渇くような気がする。
  7. 嚥下困難、呼吸困難、四肢のしびれ等が起こる場合もあります。

このように多種多様な症状が出る事があります。

2.顎関節症の原因となるもの

顎関節症を引き起こす原因としては色々な原因が考えられており、それらが複雑に絡み合って起こる「多因子病因説」が現在のところ有力な考え方です。

 

いくつかの原因が重なり合って負担が大きくなり、その人の持っている耐久力を超えた時に症状が出る、という考え方です。その原因となるものとしては、次のようなものがあります。

 

いろいろな原因が考えられますが、上下の歯の噛み合わせの異常による場合が多いようです。
また精神的緊張やストレスがあごの周りの筋肉を緊張させ噛み合わせがアンバラスになり、無理な力が関節にかかり顎関節に負担をかけることもあります。
歯ぎしりも顎の関節に大きな負担をかけます。さらに全身的問題、例えば生まれつき関節に問題のある人や、関節に外傷を受けたことがあるかどうかなどが原因となることもあります。
顎関節症の誘因としては原因が1つだけではなく、複数の原因が微妙にからみあっていろいろな症状がでることが多いようです。
診断学の進歩によって、部分的には明らかにされましたが、いまだにわからない点も多く残っているのが現状です。

  1. もともと関節が弱い
  2. 悪い噛み合わせ
  3. 顎への過剰な負担(頬づえ、片噛み、うつぶせ寝、歯ぎしり、食いしばり、歯列接触癖)
  4. 姿勢の悪さ
  5. 精神的ストレス
  6. 外傷(顎をぶつけたりなど)

3.顎関節症の治療法

マウスピース(スプリント)

顎関節症は、日常生活での原因を取り除くことで自然に治ることも珍しくありません。ですが、それでもなかなか改善が見られない場合には、歯科医院を受診するようにしましょう。

 

噛み合わせを治すことが一番重要です。例えばスプリント(マウスピースのようなもの)を上あごあるいは下あごにいれ、上下の噛み合わせが均等に接するようにします。そうすると顎の関節頭が正しい位置に戻り、筋肉の緊張がとれ、スムーズに動かすことができるようになります。さらに微調整をくり返し症状が取れた段階で必要があれば、入れ歯やクラウンと言うかぶせ物などを入れたりする事で、噛み合わせの関係を治したりします。 また重症の場合は手術による治療を行うこともあります。

 

*日常生活での注意事項

顎関節症は、頬杖をしないようにする、良い姿勢を保つ、上下の歯を無駄に接触させない、というように、日常生活の悪い癖を直すだけで治ることもありますが、症状が出ている時には、顎への負担を減らすようにすることも大事です。

 

具体的には、「大きく口を開けてあくびをする」、「硬いものを食べる」、「顎関節部を押す」というようなことは、症状が起こっている時には避けるようにしましょう。

 

また、ストレスのコントロールも大事です。できるだけストレスを溜め込まず、適度にストレス発散をするようにしましょう。

 

歯科医院での治療法 日常的にやれることをやっても症状がなかなか落ち着かない場合には、歯科医院を受診し、悪化を防ぐようにしましょう。

 

歯科医院での一般的な対処としては、

  1. 症状や状態に応じて、日常生活での注意事項の指導
  2. 歯ぎしり、食いしばりから顎の関節への負担を減らすマウスピースの作製
  3. 矯正治療
  4. 痛みがある場合には鎮痛剤の投与
  5. 顎関節へのレーザー照射

といったことが行われます。

 

このような対処法でも良くならない場合、専門医での治療が勧められる場合もあります。

 

a.筋肉痛タイプ

側頭筋や咬筋という、口を動かしたり咀嚼したりするのに重要な筋肉に炎症が起きる顎関節症です。

  1. 我慢すれば口は開けられるが、口を開けた時に痛む。
  2. 片頭痛がする。頬がだるい、重い。頬が腫れぼったい。顔がゆがむ。

などの症状があるとこのタイプかもしれません。筋肉痛(筋肉の緊張)による痛みが原因ですので、顎関節自体には問題がありません。症状を改善させるためには筋肉をほぐすことがまず大切です。

 

b.ねんざタイプ

関節には、骨のほかに軟骨や靭帯、関節包といった組織があります。そうした組織に無理な力がかかって傷んでしまうのが、このねんざタイプです。筋肉痛タイプと同じように、我慢すれば口は開けられるが、口を開けると痛いといった症状が現れます。ただ、筋肉痛タイプと大きくちがうのは、関節の炎症が起きて痛みが出ている間はあごを安静に休める必要があるところです。無理に動かすと炎症が増し、関節の動く範囲が小さくなってしまいます。

 

c.クッションのずれタイプ

正常な顎関節では、口を開ける動作に応じて、イラストのように常に下顎頭の上に関節円板と呼ばれるクッションの役割をもつ組織が乗っています。(水色の部分)
ところが、このクッションが前の方にずれてしまうと、

 

口を開けるとポキポキ、カクカク鳴る
口を開けようとしても、引っかかったように開けられない。

 

大きく開けようとすると痛い

 

といった2パターンの症状が出てきます。音が鳴るだけであれば経過観察することも多いですが、2つ目の引っかかりが起きている場合は、次の④に移行することもあるため、医療機関で定期的な検査を受診しましょう。

 

d.骨の変形タイプ

関節円板が前にずれ、さらに加齢などにより軟骨が薄くなると、下顎頭とその上の下顎窩が直接当たるようになり、やがて骨が変形していく変形性顎関節症を引き起こします。関節円板が前にずれているので、口を開ける時に引っ掛かりや痛みがあります。また、下顎頭と下顎窩がこすれて、ザラザラとした音が鳴ることもあります。軟骨は女性ホルモンの影響を受けるため、ホルモン量が低下する中高年の方によく見られるタイプです。

積極的な治療をする前に、まず顎関節のセルフケアを行ってみましょう。

開口ストレッチ(4つすべてのタイプに)
    1. こめかみに手を添え、あごを右、左と動かします。
    2. 下あごを前に突き出します。
    3. 口を大きく開けます
      1. これらを1日5セット(1セット10回)行います。全身のストレッチと同じで、続けること
      1. によって効果が現れます。ただし一度行ってみて痛みがひどい場合は、顎関節に炎症が起きている可能性があるため、炎症が落ち着くまで関節を休ませましょう。
筋肉マッサージ(筋肉痛タイプに)

人差し指と中指を傷みのあるところに当てます。側頭筋ならこめかみあたり、咬筋なら頬と耳の間です。円を描くように指を動かし、筋肉をほぐします。痛気持ちいと感じるくらいがベストな押し具合です。