こんにちは。愛知県名古屋市名東区にある歯医者「西山歯科」です。
前歯が噛み合わず食べ物が噛み切れないとお悩みではありませんか。上下の前歯が噛み合わない噛み合わせは開咬と呼ばれる不正咬合のひとつです。
開咬をインビザラインで治療できるのか気になっている方もいるでしょう。
そこで本記事では、インビザラインで開咬は矯正できるのか解説します。費用や治療期間についても解説しますので、インビザラインで開咬を矯正したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
開咬(オープンバイト)とは
開咬とは、上下の歯を噛み合わせたときに前歯部分が噛み合わず隙間が空いた状態を指します。
オープンバイトとも呼ばれる不正咬合のひとつです。正常な噛み合わせでは、上下すべての歯が均等に噛み合いますが、開咬の方は奥歯のみが噛み合った状態になります。
前歯で食べ物を噛み切ることができないなど、開咬を放置するとあらゆるトラブルが生じる可能性があります。
開咬(オープンバイト)になる原因
開咬の原因について気になっている方も多いと思います。
開咬になる原因として考えられるのは、以下の5つです。
・遺伝
・指しゃぶり
・舌癖
・口呼吸
・耳鼻科領域の疾患
それぞれ詳しく解説します。
遺伝
開咬になる原因のひとつが遺伝です。骨格は遺伝することがあり、両親のどちらかが開咬だと子供も同じ噛み合わせになる可能性があります。
骨格の異常は、早期に対応すれば改善が期待できます。日頃から噛み合わせに異常がないか観察して、気になる場合は歯科医院で相談しましょう。
指しゃぶり
指しゃぶりを長期的におこなっていると開咬になる可能性が高いです。指しゃぶりは、指を上の前歯の裏側に当てて強く吸うため、口の中に過度な圧がかかり骨格や歯並びに影響を与えます。指しゃぶりは3歳前後の幼児の場合、自然な行為なので問題ありません。
しかし、4〜5歳以降になっても指しゃぶりの癖が続くと噛み合わせに支障が出る可能性があります。指しゃぶりには、精神的な不安や緊張を和らげる効果があるため、ストレスにならないように一人ひとりに合った方法で少しずつ頻度を減らすことがポイントになるでしょう。
舌癖
舌癖がある方は、開咬になるリスクが高いです。舌は安静時にスポットと呼ばれる上の前歯の裏側から7〜8mmほどの位置におさまっています。
しかし、舌癖がある方は、舌の位置が正しい位置におさまっておらず、低い位置にある方がほとんどです。そのため、舌癖がある方は飲み込む動作をする際、舌で上下の前歯を押しながら飲み込みます。
舌癖があると前歯が常に裏側から押されている状態になるので、結果として開咬になるリスクが高まるのです。
口呼吸
口呼吸が習慣化している方は、舌が低い位置にある可能性が高いです。また、口呼吸の方は常に口が開いている状態なので口周りの筋肉が弱くなります。
歯並びは舌の位置や口周りの筋肉のバランスによって決まるため、口呼吸の方は不正咬合になりやすい環境にあるといえるでしょう。通常、舌は上顎のスポットにあり、舌の力と頬の力が拮抗し合っている状態です。
しかし、口呼吸の方は舌がスポットに触れていないため、舌と頬の筋肉のバランスが崩れてしまいます。そのため、開咬などの不正咬合になるリスクが高まるのです。
耳鼻科領域の疾患
耳鼻科領域の疾患がある方は開咬になりやすいといわれています。アデノイド肥大やアレルギー性鼻炎などの疾患があると、鼻呼吸がしにくくなり、口呼吸になる傾向があります。
口呼吸をすると舌がスポットから離れ、下の前歯の裏側に位置する場合が多いです。舌の位置が低くなり、前歯を押し出すと、結果として開咬になるリスクが高くなるでしょう。
開咬(オープンバイト)をそのままにするリスク
開咬を放置すると見た目以外にもさまざまなリスクが生じます。
開咬をそのままにするリスクは以下の5つが挙げられます。
・虫歯・歯周病になりやすい
・発音が不明瞭になりやすい
・胃腸に負担がかかりやすい
・奥歯の寿命が短くなりやすい
・顎関節症のリスクが高くなる
それぞれ詳しく解説します。
虫歯・歯周病になりやすい
開咬の場合、前歯部分が噛み合わず、意識しないと口が開いてしまう方が多いです。口が開いていると口内が乾燥しやすくなり唾液の量が減少します。
唾液には、自浄作用や抗菌作用、歯の表面を補修する再石灰化作用など、虫歯や歯周病から歯や歯茎を守る働きがあります。そのため、唾液の量が少ない方は虫歯や歯周病になるリスクが高くなるでしょう。口内の環境が悪化すると口臭の原因にもなるため注意が必要です。
発音が不明瞭になりやすい
開咬の方は前歯が噛み合っていないため、滑舌や発音に支障が出やすくなるでしょう。開咬の場合、上下の前歯が噛み合わず隙間があるため、発音の際に空気が漏れやすくなります。特に、サ行やタ行の発音がしにくくなるでしょう。
また、開咬の方は前歯の隙間から舌が突出しやすいため、舌足らずな話し方になるケースも少なくありません。
胃腸に負担がかかりやすい
開咬などの不正咬合があると、前歯で食べ物を噛み切り、奥歯で噛み砕いて飲み込むことが難しくなります。そのため、食べ物がしっかりとすり潰されずに、消化器官に送られるリスクが高くなるでしょう。
大きな塊のまま消化器官に食べ物が送られるとその分、消化に時間がかかるため胃腸に大きな負担がかかります。胃腸障害の原因にもなるため注意が必要です。また、咀嚼回数が少ないと嚥下を助ける唾液の分泌も減少するため誤嚥のリスクも高まります。
奥歯の寿命が短くなりやすい
開咬の方は前歯が噛み合っていないため、奥歯に噛む力がかかります。噛み合っている歯に大きな負担がかかるため、将来的に歯が割れる・欠けるなどのリスクが高くなるでしょう。
また、歯の割れ方や欠け方によっては、歯を残せない可能性もあります。負担がかかる分、寿命が短くなるリスクもあるのです。
顎関節症のリスクが高くなる
開咬などの不正咬合の場合、歯並びや噛み合わせが悪いため顎関節に負担がかかります。顎関節に過度な負担がかかると顎関節症になるリスクが高くなるでしょう。
顎関節症に罹患すると、あごが痛む・口が大きく開けられないなどの症状のほかにも、頭痛や肩こり、目の疲れなど全身の状態にも悪影響を及ぼします。
開咬(オープンバイト)はインビザラインで矯正できる?
開咬はインビザラインで治療できます。
開咬の方は、前歯がしっかりと噛み合うように奥歯の噛み合わせを歯茎の方向へ沈みこませる圧下と呼ばれる動きを使って歯並び・噛み合わせを治療します。圧下はワイヤー矯正が苦手とする動きで、インビザラインが得意とする動きのひとつです。
開咬の場合、奥歯の圧下と同時に前歯の傾斜も調整する必要があります。インビザラインは歯を内側や外側に動かす動きも得意としているため、重度の開咬でない限りほとんどの症例が適応となるでしょう。
インビザラインの開咬(オープンバイト)の治療方法
インビザラインで開咬を治す場合、2つの動きをおこなって歯並び・噛み合わせを整えていきます。
前歯を内側に引っ込める
開咬の方は、前歯が唇側に傾いているため内側に引っ込める必要があります。歯の傾きを内側に調整することで噛み合っていない前歯を噛み合うように整えていきます。
奥歯を圧下させる
開咬を矯正する場合、前歯を内側に引っ込めるだけでなく、奥歯を歯茎の方向に圧下させる必要もあります。奥歯の噛み合わせを低くすることで前歯が自然と噛み合うようになるでしょう。
インビザラインで開咬(オープンバイト)を治療した場合の期間
インビザラインで開咬を治療する場合の治療期間は1〜3年ほどといわれています。なお、抜歯を伴う矯正や舌癖がある場合は治療期間が長くなる傾向があるでしょう。
矯正治療には歯を動かす矯正期間と動いた歯を定着させる保定期間があります。保定をしっかりおこなわないと、歯が元の位置に戻る後戻りが起こるリスクが高くなります。
整った歯並び・噛み合わせを保つためにも、歯科医師に指示された期間はかならず保定装置を装着して過ごしましょう。
インビザラインで開咬(オープンバイト)を治療した場合の費用
インビザラインで開咬を治療する場合の費用は70万〜100万円ほどが目安です。矯正治療は一部の症例を除いて保険適応外の治療になるため、費用は全額自己負担になります。
歯科医院によっては調整料や保定装置代などが別途かかる場合があるので、料金形態は事前に確認しておくと良いでしょう。
また、開咬の方は舌癖がある場合が多く、矯正治療と並行して舌の癖を改善させる必要があります。口腔筋機能療法でのトレーニングが必要な場合、追加で費用がかかる場合もあるでしょう。
まとめ
インビザラインで開咬は治療できます。治療期間は1〜3年程度、費用は70万〜100万円程度が相場です。
開咬の方で指しゃぶりや舌癖などの悪習癖がある場合は、トレーニングなどを行って改善する必要があるでしょう。悪習癖があるまま矯正治療を完了すると、後戻りのリスクが高くなるためです。
ご自身の歯並びがインビザラインの適応となるか気になる方や、詳しい矯正期間や費用を知りたい方は、歯科医院でカウンセリングを受けましょう。
インビザラインを検討されている方は、愛知県名古屋市名東区にある歯医者「西山歯科」にお気軽にご相談ください。