こんにちは。愛知県名古屋市名東区にある歯医者「西山歯科」です。
インビザライン治療では、アライナーと呼ばれる透明なマウスピースを使って歯を動かしていきます。事前に必要な枚数のアライナーを作製しますが、計画通りに治療が進まない場合、追加アライナーが必要になることがあります。
この記事では、インビザラインの追加アライナーの必要性と費用について詳しく解説します。追加アライナーを作成する場合の治療の流れについても説明し、治療をスムーズに進めるためのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
インビザラインの追加アライナーとは
インビザラインの追加アライナーとは、当初の治療計画と実際の歯の動きのずれを修正するために作製されるマウスピースのことです。歯の動きには個人差があり、計画通りに進まないことも多いため、理想の歯並びに近づけるために追加アライナーが必要となる場合があります。
インビザライン矯正を受ける方の約8割が、追加アライナーを作製しています。
インビザライン矯正では、約2週間ごとに新しいマウスピースを装着し、徐々に歯を動かして理想の歯並びを目指します。治療開始前に、患者さまの口内のデータをもとに30~60枚のマウスピースが一度に作製されます。
しかし、治療の進行に伴い計画の修正が必要と判断されることがあります。この場合、1回で15~30枚程度の追加アライナーを作成して歯の動きを調整します。
追加アライナーが必要なケース
追加アライナーが必要なケースは、以下の通りです。
装着時間や交換時期を守っていなかった
インビザラインで追加アライナーが必要になる主な原因は、アライナーの装着時間や交換時期を守れていないことです。ワイヤー矯正とは異なり、インビザラインでは患者さま自身がアライナーの管理を行う必要があります。
例えば、アライナーの装着時間が1日20時間未満の日が続いたり、適切な時期にアライナーを交換できなかったりすると、計画通りに歯が動かず、追加アライナーが必要になるかもしれません。理想の歯並びに到達するまでの期間が延長されることもあるため、正確に管理しましょう。
患者さまからの要望
患者さまから仕上がりについて要望があった場合にも、アライナーを追加することがあります。治療の途中段階だけでなく、最終段階でもアライナーを追加するケースがあります。
「もう少しこの歯を引っ込めたい」「噛み合わせが気になる」など、具体的な要望に応じて追加アライナーを使用することで、理想的な歯並びを実現します。
重度の症例
インビザラインは、歯を長い距離動かすのが苦手です。重度の歯並びの乱れや抜歯が必要なケースでは、予定していたアライナーの枚数では十分に歯を移動できないことがあります。
特に、重度の叢生や出っ歯など、本来の歯並びから大きく外れているケースでは、追加アライナーが必要になることが多いです。
顎骨の状態により歯が動きにくい
インビザラインを含む矯正治療では、歯を支える顎の骨のやわらかさによって歯の動き方に差が出ます。顎が成長段階にある子どもの歯は動きやすく、加齢とともに動きにくくなります。
また、顎の骨密度も歯の動きに影響しますが、骨密度にも個人差があります。さらに、前歯よりも歯根の数が多い奥歯は動かしにくいとされています。
これらの要因によって計画通りに歯が動かない場合、追加アライナーが必要になることがあります。
追加アライナーにかかる費用
結論からお伝えすると、追加アライナーには費用がかかることもありますが、基本的には無料です。部分矯正と全体矯正で異なるため、それぞれの詳細を以下にまとめます。
部分矯正
部分矯正の場合、初回の追加アライナーは矯正開始日から2年以内であれば無料で作製できることが多いです。2回目以降は片顎なら1万円程度、上下なら2万円程度かかるでしょう。
ただし、追加アライナーの料金は無料でも、矯正期間が延びるため調整料がかかる点には注意が必要です。
全体矯正
全体矯正の場合、3回までの追加アライナーは治療費に含まれていることが多いでしょう。基本的には追加費用を心配する必要はありませんが、追加アライナーの作製回数が増えた場合には、費用が発生することがあります。
4回目以降は、8,000円程度の費用がかかるケースが多いです。
アライナーを追加すると治療期間が変わる?
アライナーを追加すると、治療期間は変わります。アライナーを追加すれば理想の仕上がりに近づけますが、時間に余裕のない方にとっては大きな問題となるかもしれません。
できるだけ早く治療を終わらせたい方は、アライナーを追加する必要性や頻度について医師としっかり話し合って決めましょう。
追加アライナーの治療・作製の流れ
追加アライナーの作製の流れは、以下のとおりです。
精密検査
追加アライナーを作製するためには、最初に治療計画を立てた際と同じように精密検査を行います。口腔内のレントゲン撮影やお顔の撮影、スキャナーでの歯型の採取を実施します。
診断・説明
検査で得た情報をもとに歯科医師が今後の治療計画を立て、患者さまに説明します。説明を受けた際に、疑問点や不明点があれば確認しましょう。
追加アライナーの作製依頼
患者さまが治療計画に納得したら、アライン・テクノロジー社にデータを送り、追加アライナーの作製を依頼します。追加アライナーの作製依頼から到着までは数週間かかります。この間、最後に使用していたアライナーを装着して後戻りを防ぎます。
アライナーの装着を怠り、後戻りが起こると新しいアライナーが合わなくなる可能性があるため注意してください。
治療再開
新しいアライナーが到着したら、患者さまに装着してもらい治療を再開します。今までと同様に、決められた期間ごとにアライナーを交換しながら治療を続けます。
追加アライナーの治療の注意点
追加アライナーを使用する際は、以下の点に注意しましょう。
チューイーを使用する
歯にきちんと密着させずにマウスピースが浮いた状態で使用すると、歯の動きに悪影響を与える可能性があります。マウスピースは歯にしっかりと密着させなければ十分な効果が得られません。そのため、装着時にはチューイーという補助具を使用しましょう。
チューイーはシリコン製の円筒状の補助具で、しっかりと噛むことでマウスピースと歯の隙間をなくして確実に密着させます。特に、新しいマウスピースを装着する際には浮きやすいため、チューイーをしっかりと噛んでください。
装着時間を守る
インビザラインの矯正治療を成功させるためには、マウスピースの装着時間を正しく守ることが最も重要です。食事と歯磨きの時以外は、毎日20時間以上、可能であれば22時間装着しましょう。
矯正治療中は「少しぐらいなら」と気を緩めることなく、毎日決められた装着時間を確実に守ってください。治療をスムーズに進め、理想の仕上がりを実現するためには非常に重要です。
まとめ
追加アライナーが必要になる主なケースとして、治療計画とのズレ、患者さまの仕上がりに対する要望、装着時間の不足、歯の動きの個人差などが挙げられます。必要に応じて追加アライナーを使用することで、より高い治療効果が得られる場合があります。
ただし、治療期間が延びる可能性があるため、早く治療を終えたい場合は医師としっかり相談しましょう。
追加アライナーの費用については、部分矯正と全体矯正で異なります。無料の場合もあれば追加料金が発生する場合もあるでしょう。
追加アライナーを使用する際は、チューイーを使用してアライナーを装着し、装着時間を守ることが大切です。治療効果を高めるためには、正しくアライナーを装着することが不可欠です。
インビザライン矯正を検討されている方は、愛知県名古屋市名東区にある歯医者「西山歯科」にお気軽にご相談ください。