こんにちは。愛知県名古屋市名東区にある歯医者「西山歯科」です。
「インビザラインで矯正治療をしているけれど、歯が動いている気がしない」と感じる方も少なくありません。
インビザラインで歯が動いていないと感じるのはなぜなのでしょうか。また、歯が動いていないと感じる場合には、どのように対処したらよいのでしょうか。
今回は、インビザラインで歯が動いている気がしないと感じる原因について解説します。インビザラインではどのように歯を動かすのか、また歯が動いている気がしない場合の対処法についても解説しますので、インビザライン治療を検討中の方や、歯が動いている気がしないとお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
インビザラインではどのように歯を動かす?
歯はしっかり顎の骨に埋まっているため、簡単には動かせません。では、インビザラインではどのように歯を動かすのでしょうか。
歯茎の中には歯を支える歯槽骨があり、歯の根と歯槽骨の周囲には歯にかかる力を吸収するクッションのような役割をもつ歯根膜があります。
矯正装置によって歯が引っ張られると、歯根膜の一方が縮み、もう一方が伸びます。縮んだほうは骨を溶かす細胞が働き、伸びたほうは骨を作る細胞が働くのです。この骨の再生と吸収を繰り返すことで、歯が徐々に動きます。
新陳代謝を利用するため、早く動かすことはできません。マウスピース1枚で動かせる範囲は0.25mm程度です。
インビザラインで歯が動いている気がしないと感じる原因
インビザラインで歯が動いている気がしないと、不安になるでしょう。
では、なぜ歯が動いている気がしないのか原因を解説します。
長期間かけて少しずつ動くから
インビザラインの治療は、短くても数か月、長い場合は3年程度かかります。また、マウスピース1枚で動かせる範囲はわずか0.25mm程度のため、目に見えて歯が動いているとは感じにくいでしょう。
ただし、計画どおりに治療が進んでいれば、治療開始時よりも歯が動いていることはわかるはずです。
マウスピースの交換時期を守っていない
インビザラインでは、作製したマウスピースを患者様ご自身で1~2週間ごとに交換します。
マウスピース交換のスケジュールは患者様ごとに決められており、治療計画どおりに歯を動かすためには、交換時期を守ることが大切なのです。
マウスピースの装着時間を守っていない
インビザラインは、1日20~22時間マウスピースを装着することを前提に治療計画が立てられます。マウスピースの装着時間を守らないと歯は動きません。
基本的には、食事と歯磨きの際以外は、マウスピースを忘れずに装着する必要があるのです。
マウスピースの装着方法を間違えている
基本的にインビザラインでは、マウスピースの装着時間と交換時期を守れば歯は動きます。
しかし、マウスピースの装着方法を間違えていると歯は動きません。歯とマウスピースの間にすき間があると力がかからず、歯が動かない可能性があるのです。
マウスピースが破損・変形している
マウスピースが破損・変形していると、歯とマウスピースの間にすき間ができ、歯に十分な力がかけられないこともあります。破損したマウスピースを使い続けると、口内を傷つける可能性もあるため、早めに歯科医師に相談しましょう。
虫歯・歯周病の治療のためにインビザライン治療を中断した
インビザライン治療中に虫歯・歯周病になると、虫歯・歯周病の治療が優先されることもあります。虫歯・歯周病の治療が終わってからインビザライン治療を再開することになるため、矯正治療が進まず、歯が動いていないと感じることもあるでしょう。
歯が動いている気がしないと感じる場合の対処法
インビザライン治療中、歯が動いている気がしないと感じる場合、どのように対処したらよいのでしょうか。
歯が動いている気がしないと感じる場合の対処法は、以下のとおりです。
歯科医師に相談する
インビザラインで歯が動いていない気がすると感じたら歯科医師に相談しましょう。患者様が実感できないだけで、歯は計画どおりに順調に動いていることも少なくありません。計画どおりに歯が動いていることを確認できると安心でしょう。
もし、歯科医師に相談し、治療計画どおりに歯が動いていないとわかった場合は、治療計画の見直しなどが必要になります。
マウスピースの装着時間・交換時期を守る
マウスピースは1日20~22時間装着しなくてはいけません。また、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換する必要があります。
マウスピースの装着時間・交換時期を守らないと、それだけ治療の進行も遅くなるでしょう。計画どおりに治療を進めるために、マウスピースの装着時間・交換時期はしっかり守りましょう。
マウスピースを正しく装着する
マウスピースを正しく装着していないと歯は動きません。マウスピースは歯にしっかりと密着させましょう。マウスピースと歯の間にすき間があると、歯に力がかからないためです。
マウスピースを歯に密着させるために、チューイーを使用するとよいでしょう。チューイーとは、インビザライン治療で用いられるシリコン性のチューブのことです。マウスピースを装着したあとに、チューイーを噛むことで、歯としっかり密着させることができます。
マウスピースが破損・変形していないか確認する
マウスピースが破損・変形していないか確認しましょう。マウスピースが破損・変形していると歯が動かないことがあるためです。破損・変形している場合、新たなマウスピースの作製が必要になるため、早めに歯科医院を受診しましょう。
新陳代謝を高める生活を心がける
新陳代謝がよいほど歯はスムーズに動きます。そのため、血流が悪くなる喫煙は控えましょう。加えて、バランスのよい食事と適度な運動、十分な睡眠を心がけることで、新陳代謝がよくなります。健康的な生活が矯正治療にもよい影響を及ぼすのです。
オーソパルスを使用する
オーソパルスとは、歯の周辺組織に近赤外線を照射して細胞を活性化させる装置です。血流がよくなり、新陳代謝が高まるため、歯が動きやすくなります。
オーソパルスはすべての歯科医院に導入されているわけではありません。詳しくは歯科医院で確認しましょう。
歯並びに影響を与える口元の癖を改善する
歯並びが悪くなる原因には、歯ぎしりや食いしばり、頬杖、舌で歯を押す癖といった口元の癖があります。歯並びに影響を与える口元の癖は改善しましょう。
インビザライン治療中に、これらの癖があると計画どおりに歯が動かなくなり、歯が動いていないと感じる原因になるためです。
インビザラインで歯が動きやすい人の特徴とは?
患者様が治療のため頑張っていても、歯が動きやすい人とそうでない人がいます。
インビザラインで歯が動きやすい人の特徴は、以下のとおりです。
年齢が若い方
成長期にあるこどもや若い方は、新陳代謝がよく、全身の組織が柔らかいため、歯が早く動きやすいです。特に、小児矯正の場合、顎の成長を促しながら歯並びを整えることができます。
歯並びに影響を与える口元の癖がない方
歯ぎしりや食いしばり、頬杖、舌で歯を押す癖など、歯並びに影響を与える口元の癖がない方は、インビザラインで歯が動きやすいです。こどものうちであれば、口周りの悪い癖を治す治療もあります。
口腔内の衛生状態がよい
インビザライン治療中に虫歯や歯周病になると、矯正治療を中断する可能性があります。虫歯・歯周病の治療が優先されるためです。そのため、口腔内の衛生状態がよく、虫歯や歯周病になりにくい方は、インビザラインで歯が動きやすいといえます。
まとめ
今回は、インビザラインで歯が動いている気がしないと感じる原因について解説しました。
インビザラインではマウスピースを装着し、長い期間をかけて少しずつ力を加えて歯を動かすため、目に見える変化があるわけではありません。そのため「インビザラインで歯が動いている気がしない」と感じる方もいるのです。
患者様のお口の状態や年齢などによっても、歯の動きやすさは異なるでしょう。
しかし、できる限りスムーズに治療が進むように、患者様ご自身が注意すべき点もあります。マウスピースの装着時間・交換時期を守ることや正しく装着することなどです。歯が動いている気がしないと不安に感じたら、歯科医師に相談しましょう。
インビザラインを検討されている方は、愛知県名古屋市名東区にある歯医者「西山歯科」にお気軽にご相談ください。