ママ友を誘って行きたくなるカフェのような歯医者。名東区の西山歯科

ママ友を誘って行きたくなるカフェのような歯医者、名古屋市名東区の西山歯科

歯科コラム column

「急に昨日から歯ぐきから出血したけど大丈夫かな?」 「口をゆすいだら血が出てきたけど病気かな?」

歯科コラム2022/07/04

名東区の歯医者、西山歯科・院長、岩瀬です。

日常と違う事が起きると色々と不安や心配が出てくるかと思います。
歯茎から血が出るというのは、特別珍しいことでもなく、きっと誰でも体験したことがあることだと思います。時々起こる一時的な出血ならば、大して問題ないケースがほとんどですが、頻繁に出血する、血が止まりにくい、という場合にはちょっと注意が必要です。
口の中が不潔な状態のまま経過すると歯の表面に細菌が付着し、歯ぐきが炎症を起こします。炎症が強くなってくるとだんだん歯ぐきから出血するようになります。 炎症や出血が続くと今度は歯ぐきが腫れたり歯ぐきから膿が出るようになります。 このような場合は歯周病が疑われます。 ブラッシングやうがいなどで口のなかの清潔を保っても症状が続くようでしたら受診されることをお勧めします。 まれに腫瘍や血液の病気などによって腫れたり出血する場合もありますので、やはり受診されることをお勧めします。

 

1.歯茎の出血を起こす原因

 

歯茎から出血している場合、その原因のほとんどは歯周病です。歯周病は子供や若い人によく見られる歯肉炎、中年以降に見られる歯周炎に分けられますが、いずれの場合でも出血しやすくなるという症状が起こります。

ちなみに、歯肉炎と歯周炎には次のような違いがあります。

 

 

①歯肉炎

 

炎症は歯茎のみにとどまっている状態で、骨の破壊は見られない。子供や若者に多い。
歯肉炎は、歯肉が炎症を起こして、赤くはれたり、出血したりする状態です。平成23年歯科疾患実態調査によると、小・中学生の約4割、大人の約5割に、歯肉炎の症状が見られます。

歯肉炎の原因は、みがき残した歯垢。歯垢の中の細菌の毒素や酵素が、歯を支える組織を刺激すると、歯肉が炎症を起こしてしまうのです。歯肉炎の段階なら、歯みがきをきちんと行うことで改善することができます。

しかし、さらに悪化して、歯周ポケットと呼ばれるみぞができたり、歯を支える骨まで溶けたりする「歯周炎」(歯槽膿漏)になると、元に戻すことはできません。歯肉に不調を感じたら、早めにケアすることが大切です。

 

 

②歯周炎

 

感染が広がり、歯茎だけでなく歯を支えている骨にも影響が現れ、歯を支えている歯槽骨(しそうこつ)が炎症によって破壊される病気です。中年以降に多く見られます。
歯肉炎を放置しておくと歯垢や歯石がどんどんくっついてしまいます。特に歯と歯肉のすき間(歯周ポケット)に歯石がたまり、どんどん歯周ポケットが深くなり、そこに歯垢や歯石がたまり、膿も出るようになります。
歯周炎では歯肉の炎症が歯肉炎よりも進行して、歯槽骨の溶け出しが始まります。歯槽骨が溶けると歯がグラグラになってしまい、最終的には歯を失う危険性があります。歯周病はかなり進行しないと症状が出てきません。初めのうちは歯ぐきのみにとどまっていますが、次第に進行し歯を支える骨にまで進むと手術が必要になることもあります。
予防としては、歯みがき(ブラッシング)によるプラークコントロール(歯垢抑制)、定期健診による歯石、歯垢のクリーニングが基本です。

また、女性は、ホルモンバランスの変化により、歯周病にかかりやすくなる期間があります。例えば、思春期、妊娠中、更年期の時期には特に起こりやすくなります。

 

2.歯周病以外で出血を起こす場合

 

歯周病以外で出血を起こす原因として、次のようなものがあります。歯磨きを適切に行っていても、歯石取りをしっかりと行っていても、歯茎から簡単に出血しやすい状態が続くようであれば、以下を疑うこともあります。

 

①全身性の疾患

 

白血病や血友病、血小板減少性紫斑病、再生不良性貧血、ネフローゼ症候群、といった全身性の病気です。ただし、これらの病気の場合、歯茎の出血だけでなく、鼻からの出血、傷の治りが遅い、高熱、倦怠感、アザが出来やすいといったような他の症状も同時に出ることが一般的です。

 

②薬の副作用

 

ワーファリンや小児用バファリンなど、血液の流れをよくする薬を飲んでいる場合、出血が止まりにくくなります。

 

③ビタミン欠乏症

 

特に、ビタミンC、D、Kが欠乏すると出血しやすくなると言われています。

 

④乱暴なブラッシング

 

こちらも時々見られます。歯ブラシを力一杯ゴシゴシやってしまう人、硬い歯ブラシを使っている人は、歯茎を傷つけ、歯周病がなくても出血してしまうことがあります。 どうしても心理的に綺麗にしたいと気持が先行してしまい、力が自然と入ってしまい傷つけてしまう方も多くいらっしゃいます。力ではなくあて方を身につけて頂く方が効果的です。

 

 

3.歯周病の炎症を起こすほとんどの原因は歯垢

 

歯磨きを怠った場合、もしくは歯磨きをしたとしても、適切な位置に歯ブラシが当たっていないと、約24時間で歯垢(細菌の塊)が形成され、歯茎が炎症を起こすと言われています。出血は歯周病にかかった場合に最も初期に現れる症状ですので、このサインを見逃さず、しっかりとこの段階でブラッシングを行い、対処しておくことが大切です。

歯垢を放置してさらに1日、2日・・・と経つうちに、今度は歯垢が硬くなって歯石ができ始めます。こうなると歯ブラシでは落とすことができず、歯石に絡みついた歯垢が持続的に炎症を起こすことになります。歯周病は進行すると歯を失う原因となる恐ろしい病気です。またそれだけでなく、体の健康を害してしまうことでも最近はよく知られてきています。例えば、心臓病、脳梗塞、糖尿病、誤嚥性肺炎、早産・低体重児出産、メタボリックシンドロームなど多くの生活習慣病を含む重大な全身疾患との関連が明らかになっています。

なるべくこのような事態に至らないためにも、ぜひとも歯茎の出血に注意を払い、ブラッシングを徹底する、また歯科で定期的なケアを受けるといったことをおすすめします。