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歯科コラム column

「子供の歯の成長確認のためにレントゲン撮影をした際、大人の歯の本数が足りないと言われたけどこれって大丈夫ですか?」

歯科コラム2022/03/03

名東区の歯医者、西山歯科・院長、岩瀬です。

「子供の歯の成長確認のためにレントゲン撮影をした際、大人の歯の本数が足りないと言われたけどこれって大丈夫ですか?」

歯の本数が少ない歯の先天性欠損とはどういう事でしょう?


歯は全て生えてくるものかというと、決してそうとは限らず、歯の数がもともと生まれつき足りないケースもあります。生まれつき備わっていない歯のことを 「先天性欠損歯」 といいますが、日本小児歯科学会が2007年〜2008年に行った調査によれば、およそ10人に1人の割合で永久歯が先天的に欠損しているというデータがあげられています。

そして、このような歯の先天性欠損のある子どもはだんだん増加傾向にあるということも言われています。歯の先天性欠損とはどのようなことでしょうか。

 

1.見先天性欠損歯の場合に困ること

 

先天欠損歯が起こる場合、上下で1〜2本というケースが多いようですが、稀にそれ以上の多数歯の欠損が発生する場合もあります。

本来正常な歯の本数は乳歯で上下20本、永久歯で28本(親知らずは含まず)ですので、それ以上もともとの本数が少なければ 「先天性欠損歯」 がある可能性が高いと言えます。

先天性欠損歯があっても、特に問題を起こさないケースもありますが、本数や起こる場所によっては将来的に歯並びが崩れてしまったり、審美的な問題を起こしたり、 かみ合わせの観点から噛むのに支障をきたしたりすることがあるため、お子さんのうちから経過を見ていく、または治療介入することが望ましいと言えます。

 

2.先天性欠損歯はどこに現れる?

 

先天性欠損歯 のほとんどは永久歯に起こります。乳歯でも起こる場合がありますが、0.5%くらいの稀なケースとして現れます。
日本小児歯科学会が2007~2008年にかけて行った全国調査「永久歯先天欠如の発生頻度に関する調査研究」をみると、歯科を受診した7歳以上の子ども1万5,544人(男子7,502名、女子8,042名)のうち、乳歯の先天性欠如があったのは75人(0.5%)、永久歯の先天性欠如があったのは1,568人(10.1%)となっています。
また、永久歯の先天性欠如は男子(9.1%)より女子(11.0%)がわずかに多く、上あごだけに欠如がある場合は2.5%、下あごだけにある場合は5.7%、上下のあご両方にある場合は1.9%。歯の種類別では、前から5番目(第2小臼歯)と前から2番目(側切歯)の欠如が多いという結果が出ています。

 

3.先天性欠損歯の原因

 

先天性欠損歯 がなぜ起こるのか、この明確な原因はわかっていませんが、次のようなことが原因として考えられています。

  1. 遺伝によるもの
  2. 薬物の副作用によるもの
  3. 全身的な病気の影響
  4. 妊娠時の栄養不足によるもの
  5. 歯の退化現象として起こったもの

などがあげられます。

 

 

4.先天性欠損歯、どうやって調べるのか

 

先天性欠損歯があるかどうかは、歯医医院でレントゲン写真をとればすぐにわかります。大抵は、お子さんの時期で生え変わりの際に問題があり、レントゲンを撮って判明することが多いです。
「子供の歯は放っておいてもいずれ生えかわる」「子供の歯がひどい虫歯になっても永久歯があるから大丈夫」、というように考えて油断していると、後で困ったことになる場合もあるので、できれば定期的に歯医者を受診し、ちょっとした異常がある場合に早く見つけられるようにしておくことが大切です。また、早めに問題があるかどうかを知るということも早期発見・早期対策が取れるので一度生え変わりの時期にレントゲン撮影してみる事も大事かもしれませんね。

 

5.先天性欠損歯があった場合、どう対処する?

 

先天性欠損歯の対処法としては次のようなことが挙げられます。

①乳歯をできるだけ大切にする

永久歯でもともと備わっていない歯がある場合、その場所に生えている乳歯は、その後に生え変わってくれる永久歯がないことになりますので、その歯を出来るだけ大切にする、ということが大事になってきます。

しかし、永久歯がなくても、乳歯の歯根はだんだんと吸収し、ある程度の年齢(30−40代)くらいになると脱落してしまうことがほとんどです。もし抜けてしまった場合には、その後に別の対処法を行なっていくことになりますが、抜けるまではできるだけ虫歯をつくらないように、大切にしていきましょう。最大で60代でも乳歯が残っている方も何名かいらっしゃるので歯を大切にケアする事は大事ですよね。

②人口的な歯を入れる(ブリッジ・入れ歯・インプラント)

先天欠損で隙間が開いた部分には、ブリッジや入れ歯、インプラントといった人工歯を入れる場合がほとんどです。ですが、成長期の段階では、ブリッジやインプラントといった治療はまだ行えませんので、10代で乳歯が抜けてしまった場合には、ひとまず入れ歯を入れてかみ合わせのバランスを保っておき、成長が止まったらブリッジやインプラントで治療を行う、ということが一般的です。10代で入れ歯は流石に嫌だなと言われる事も多いので一旦、仮歯を接着させて審美的回復や機能的な回復をする事も出来ますので、問題をすでにお持ちの方は一度お口の中を見させて頂き改善策を考えていきましょう。

また、スペース的な問題でどうしてもブリッジや入れ歯、インプラントが困難なケースも起こりえます。

③矯正治療をする

矯正治療で歯並びを整えるという選択肢もあります。その際、先天欠損が多い場合には、指定医療機関で治療を受ける場合に限り、保険適用で矯正治療が行える場合もあります。
矯正治療は一般的に自費診療ですが、実は、厚生労働省が定めた特定の症状に限って健康保険が適用されます。従来、口唇口蓋裂などの先天性異常と顎変形症のみが健康保険適用の対象でしたが、2年前の2013年度から、6本以上の先天性欠如歯がある場合、「指定自立支援医療機関(育成・更生医療)」の指定を受けている矯正歯科診療所あるいは病院での治療に限って、健康保険が適用されるようになりました。
6本以上の先天性欠如が健康保険の適用になったことで、これまで費用が高くて治療できずにいた人にとって、矯正歯科治療がぐっと身近になったわけです。

④複合的な方法で改善する

矯正歯科治療+補綴歯科治療で咬み合わせを安定させる
乳歯がもし保存困難になってしまい抜歯せざる終えなくなった場合、先ほどお話しした補綴歯科治療(ほてつ/歯の代わりに人工の歯をつくって入れる治療)や矯正治療などを組み合わせる事で、咬み合わせや審美性を安定させることもできます。