こんにちは。愛知県名古屋市名東区にある歯医者「西山歯科」です。

インプラント治療を希望しても、顎の骨が足りないと診断されることがあります。骨の量が不足しているとインプラントが安定せず、治療が難しくなる場合があるのです。

この記事では、顎の骨が少なくなる原因や対処法、治療の選択肢と費用、注意点まで詳しく解説します。

顎の骨が少なくなる原因

インプラント治療において重要なのが、人工歯根（インプラント）を支える顎の骨の量です。

しかし、何らかの理由で顎の骨が減少することがあります。その主な原因は、以下の通りです。

歯の喪失による骨吸収

歯を失ったまま長期間放置していると、歯を支えていた骨が今後使われないと判断され、徐々に吸収されて減っていきます。特に、奥歯を抜いたままにしていると、骨の減少が進行しやすくなります。

歯周病の進行

歯周病は、歯ぐきだけでなく歯を支える骨にも深刻な影響を与える病気です。炎症が広がると骨が溶けてしまい、結果として骨の量が減少します。歯を失う原因の多くが歯周病に起因していることから、注意が必要です。

加齢や全身疾患

年齢とともに骨密度が低下することがあります。また、骨粗しょう症や糖尿病といった全身疾患も、骨の質や量に影響を与えることがあります。

こうした背景があると、インプラント治療の準備として骨の増強が必要になるケースが多いです。

不適切な義歯の使用

合わない入れ歯を長期間使っていると、顎の骨に過剰な圧力がかかり、骨が徐々に吸収されることがあります。義歯の調整や見直しを怠らないよう定期的に歯科医院での定期検診を受けましょう。

顎の骨が少ないとインプラント治療は受けられない？

インプラント治療は、人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を固定する方法です。そのため、土台となる顎の骨がしっかりしていることが重要です。

そのため、顎の骨が少ない状態では、そのままインプラントを埋入するのは難しいです。

ただし、骨を増やす処置を行うことで治療が可能になるケースもあります。インプラントはしっかりと骨に固定されて初めて長期間安定して機能します。骨の厚みや高さが不足していると、インプラントを支える力が弱くなり、脱落や周囲の組織へのダメージを引き起こす可能性が高くなります。

顎の骨が少ない方がインプラント治療を受けるためには

骨の量が基準に達していない場合は、まず骨造成（こつぞうせい）と呼ばれる処置を検討します。骨造成には、以下のような方法があります。

• GBR法（骨誘導再生法）
• ソケットリフト／サイナスリフト
• 自家骨移植

GBR法は、特殊な膜を使って骨の再生を促す方法です。ソケットリフトやサイナスリフトは、上顎の骨が薄い場合に、上顎洞を持ち上げて骨の厚みを確保する方法です。自家骨移植は、患者様自身の骨を別の部位から採取し、移植する方法です。

これらの方法を行えば、多くのケースでインプラント治療が可能になります。

ただし、骨を増やす処置には時間がかかるほか、追加の費用や体への負担も発生するため、事前に十分な説明と相談が必要です。顎の骨が少ないことはインプラント治療の妨げにはなりますが、治療を諦める必要はありません。

顎の骨を増やす治療にかかる費用

前述の通り、インプラント治療を成功させるには骨造成と呼ばれる処置が必要です。

ただし、これらの治療は保険が適用されない自由診療にあたるため、費用が高額になります。ここでは、代表的な骨造成法ごとの費用相場を紹介します。

GBR（骨誘導再生法）

骨が部分的に不足している場合に用いられる方法で、人工骨や自家骨を足して再生を促します。費用相場は、1部位につき5万～15万円程度です。

ただし、処置の範囲や使用する材料の種類によって価格は変動します。

サイナスリフト

上顎奥歯の上にある上顎洞（じょうがくどう）と呼ばれる空洞を持ち上げ、人工骨などを詰めて骨量を確保する方法です。大がかりな手術で、費用相場は片側につき20万～40万円程度です。

両側に治療を施す場合は、倍額が必要となることもあります。

ソケットリフト

サイナスリフトよりも侵襲が少なく、骨の厚みがある程度残っている方が可能な処置です。費用相場は、1本につき5万～15万円程度です。

自家骨移植

ご自身の骨を、顎の後方や腰などの別の部位から採取して移植する方法です。治癒力が高い一方で、手術の負担も大きくなります。

費用相場は、10万～30万円程度です。採取部位によっては、別途麻酔や入院費がかかる場合もあります。

その他にかかる費用

骨造成に加えて、次のような費用が発生することもあります。

• CT撮影・診断料：1万～3万円
• 手術時の麻酔費用：1万～5万円
• 投薬・再診料：数千円～

顎の骨を増やす処置は、インプラントの成功率を高めるために非常に重要です。費用面はクリニックによって異なるため、事前にしっかりとカウンセリングを受け、総額の見積もりを確認しておくと良いでしょう。

分割払いや医療ローンを取り扱っている医院もあるため、経済的な負担を軽減する方法も相談してみましょう。

顎の骨を増やす治療を受けたあとの注意点

骨造成などの顎の骨を増やす治療は、インプラント治療を成功させるための重要なステップです。

しかし、手術後の過ごし方によっては治癒に影響を与える可能性があります。治療の効果をしっかり得るためには、術後のケアが非常に大切です。

ここでは、治療後に気をつけるべきポイントを詳しく紹介します。

傷口を安静に保つ

手術直後は、骨や歯ぐきの周囲がとてもデリケートな状態になっています。治癒を妨げないよう、少なくとも数日は強くうがいをしたり、舌で触れたりしないようにしましょう。

傷口の保護を最優先に考え、できるだけ安静に過ごすことが大切です。

術後の腫れや痛みへの対処

骨造成後は、腫れや軽い痛み、内出血が数日続く場合があります。多くのケースで処方される鎮痛剤や抗生物質を、医師の指示どおりに服用してください。また、患部の腫れを抑えるためには、手術当日はなるべく頭を高くして寝たり、冷たいタオルで軽く冷やしたりするのも有効です。

食事内容に気を配る

手術当日や翌日は、なるべく柔らかい食べ物を選び、治療部位に刺激を与えないようにしましょう。おかゆ、スープ、ヨーグルトなどが良いでしょう。熱いものや硬い食べ物は避けるようにし、咀嚼の際は手術側と反対側を使うなどの工夫も必要です。

飲酒・喫煙の制限

術後数日は、アルコールやタバコの摂取を控えることが重要です。特に喫煙は、傷の治りを遅らせたり、移植した骨の再生を妨げるリスクがあります。骨造成を受けた方は、できれば治療期間中は禁煙を心がけることが推奨されます。

定期的な通院と経過観察

骨造成治療は、術後すぐに完了するわけではなく、骨の定着や再生が確認できるまでに数ヶ月かかることが一般的です。その間は、定期的に通院して、経過を観察してもらう必要があります。予定された検診やレントゲン撮影を怠らないようにしましょう。

必要があれば、追加の処置も検討されます。

衛生管理を徹底する

術後の感染リスクを防ぐために、毎日の歯磨きはもちろんのこと、歯科医院で指示された洗口液の使用やブラッシング方法を守ることが大切です。治療部位を避けながら、その他の歯や口内を清潔に保つよう心がけましょう。

まとめ

顎の骨が少ないことでインプラント治療を諦める方もいますが、現在では骨造成やサイナスリフトなど、骨を増やすための高度な治療法が整っています。適切な処置を受けることで治療は可能になります。

骨が少なくなる背景には、歯の欠損による骨の吸収や歯周病などの慢性的な疾患が関係しているため、早めの診断と対応が重要です。また、骨造成を行う場合は治療期間が長くなり、費用も追加でかかることがあります。

さらに、治療後は感染予防や禁煙、定期的なメンテナンスが求められるため、患者様自身の協力も大切です。将来にわたってしっかりと噛める生活を実現するためにも、信頼できる歯科医師に相談し、最適な治療法を選びましょう。

インプラント治療を検討されている方は、愛知県名古屋市名東区にある歯医者「西山歯科」にお気軽にご相談ください。

当院では、一般歯科や小児歯科、ホワイトニング、インプラント、矯正治療など、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひ参考にしてください。