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ママ友を誘って行きたくなるカフェのような歯医者、名古屋市名東区の西山歯科

歯科コラム column

「特に生活に支障がないかそのままにしていていいですか?」 「失った歯を補う為に何か方法はありますか?」

歯科コラム2022/03/15

名東区の歯医者、西山歯科・院長、岩瀬です。

「特に生活に支障がないかそのままにしていていいですか?」
「失った歯を補う為に何か方法はありますか?」

虫歯や歯周病、外傷などによって歯を失ってしまった方からこの様な声を良く聞きます。

2018年の厚生労働省が行った調査によると、歯を失う原因で最も多かったのが 「歯周病」(37%)で、以下「むし歯」(29%)、「破折」(18%) の順でした。このうち「破折」の多くは健康な歯ではなく神経を取って脆くなった歯に起こっていて、原因は「むし歯由来」とみなすことができますので、「むし歯由来」は47%となり、抜歯の最大の原因となります。

皆さんも歯を失った部分を長らく放置していませんか?

その時は問題がなく、見た目や噛むのに問題が出なくても、歯というのは、1本失っただけでもそれまで保たれていたバランスが崩れ、様々なトラブルを起こしてきます。

 

1.歯並びや噛み合わせが崩れる

歯というのは全ての歯が揃ってバランスを保っています。
そのため1本歯を失っただけで、歯並びや噛み合わせの崩壊が始めます。後の歯が前に倒れてきたり、かみ合せの歯が伸びてきたりと、歯を失った後に放置している期間が長くなるほど、バランスが大きく崩れ、その後の治療が困難になります。

 

2.他の歯も悪くなってきます

 

歯を失うと、噛める部分でのみ(片側噛み)で噛もうとするようになり、特定の歯に大きな負担がかかってしまいます。その状態が長く続くと、特定の負担がかかりすぎた歯にダメージが加わり、歯を傷めてしまう原因になります。最悪また別の歯が割れてしまいます。 つまり他の歯も次々に早く失ってしまう危険性があります。

 

3.顎関節症になる可能性がある

 

歯を失うと、噛める側だけで噛もうとするなど、バランスの悪い噛み方をするようになります。それに加え、歯が抜けたのを放置していると、噛み合わせも乱れてきます。

このように噛む筋肉がアンバランスに働くようになると、顎関節症を引き起こし、顎の痛みや頭痛、お口が開けづらいというような症状を起こす恐れがあります。

起きた時にいつもと感覚が違うな?お口が開けづらいな? そのような経験ありませんか?

 

4.顎の骨が吸収してしまう

 

歯を失って噛む刺激を受けなくなると、役割を果たしたと体が判断し、その部分の骨は吸収して痩せてしまいます。そうなってしまうと、後からインプラントをしようとしても骨が足りずに、骨を増骨するかインプラントを断念せざるを得なくなる場合があります。

 

5.審美的な問題が起こることがある

 

前歯など目立つ場所の歯を失った場合はもちろんですが、奥歯を失ったケースでも審美的な影響が起こる場合があります。

例えば、他人からは見えない奥歯を失った場合でも、奥歯で噛めなくなることで、前歯に過剰な負担がかかり、前歯が前に突き出てくること(フレアアウト)があります。

また、失った歯の反対側ばかりで噛んでいると、使われない側の顔にだけ顔のたるみが起こったり、ほうれい線が刻まれることがあります。かばう事で姿勢も悪くなり体にも影響がでるんですよ。

 

6.歯が抜けたらなるべく早めに治療しましょう

 

歯を失って放置するほど、その後の対処が難しくなります。そのため、歯を失った後は早めの対処が大事です。「別に不便じゃないし、そのうち治療すればいいか」と放置することのないようにしましょう。どんな場合であれ、「後から時間が出来たら治療しよう」では次の対応が困難になる事がほとんどです。

 

7.歯を補う治療法は主に3つの方法があります

 

歯が抜けた後の治療法としては現在のところ、ブリッジ、入れ歯、インプラントがあります。

 

①ブリッジ

名前の通り、失った歯の両隣にある歯を大きく削り、それを土台にして人工の歯を橋のように架ける治療を「ブリッジ」といいます。人工の歯をしっかりと固定するため、硬いものを噛んでも安定性があります。噛む力は、両隣の歯がしっかりと受け止めるので、自然な噛み心地になります。材質を選べば保険適用にもなり(部位や材質によっては自費診療になることも)、取り組みやすい治療です。

しかし、健康な歯を大きく削って土台とするために細菌に侵されやすく、なくなってしまった歯への力が土台の歯にかかり、負担が大きくなります。また、一番奥の歯が失われた場合は、ブリッジ治療を行うことができません。(※手前の2本の歯を土台にする「延長ブリッジ」という方法もあるのですが、土台の歯への負担がより大きくなるため、お勧めできません)

また、どんなに精巧に「ブリッジ」がつくられても、被せた人工の歯と土台の歯との間には目に見えない隙間がどうしてもできてしまい、そこから細菌が入って虫歯になる場合があります。また、使用するうちに人工歯と歯肉との間に隙間ができて、そこに食べかすが入り、歯周病や虫歯の原因になります。奥歯は、歯ブラシで磨きにくく、しかも歯間ブラシも入らないため、お口の中が不衛生になりやすい部分です。健康だった土台の歯に一気に悪条件が重なることになり、やがて悪くなって抜歯にいたるケースが多くなります。

 

②入れ歯

残っている歯にバネをかけて人工の歯を補う治療法です。材質を選べば保険適用にもなり、どの位置の歯がなくなっても対応できます。また、取り外して磨くことができますから、メンテナンスも簡単で、気軽に取り組める治療法です。

「ブリッジ」のように健康な歯を大きく削ることはありませんが、バネで歯を締め付けるために違和感があり、しっかりと噛むことができなくなります。その他にも、ずれる、外れる、痛いなどといった不具合を訴える方も多くいらっしゃいます。さらに長年「入れ歯」を使用し続けると、あごの骨に噛む刺激が与えられないため、あごの骨がやせてくるという現象が起こります。

顔の土台となるあごの骨が痩せてくると、口の周りがクシャッとした感じになり、皮膚がたるんで老けた印象のお顔になります。さらに骨がやせてしまえば、骨の中を通っている神経や血管が骨の表面に露出し、入れ歯などの刺激によって痛むこともあります。

お手入れは、食後に入れ歯を取り外してブラッシングします。お口の中で磨くよりも取り外して磨く方が簡単なのですが、歯磨きとともに入れ歯の清掃をしなくてはならないため、煩わしいと感じる方もいらっしゃいます。

 

③インプラント

あごの骨にチタンでできたインプラント体という小さな金属を埋め込み、それを土台にして人工歯を固定する治療法です。チタンは人間の体によく馴染み、その表面で骨が成長しながら結合するという性質があります。そのため「インプラント」はあごの骨にしっかりと固定されますから、天然歯に近い自然な噛み心地が再現され、他の歯を削ったり余分な力をかけたりすることもありませんので、残った健康な歯をそのまま維持することができます。また、失った歯の位置や本数にかかわらず、理想的な結果になるように治療の計画が立てられるのも特徴です。さらにインプラントは噛む刺激をあごの骨に伝えますから、あごの骨が痩せる心配がありません。そのため、お口の周りの老化を遅らせ、美容の面からも優れた治療法です。

すなわちインプラントのメリットは違和感なく噛める、見た目が美しい、他の歯や骨に悪影響を及ぼさない、天然の歯と同じように食べることができるといった治療後の快適な生活にあり、それらは入れ歯やブリッジにはない、優れた特徴になっています。

しかし、埋め込みのための手術が必要であること、また入れ歯やブリッジに比べて治療期間が長いこと、治療費が高額であることなどのデメリットもあります。

また、あごの骨が痩せて治療に十分な骨量のない方や、重篤な全身疾患のある方は手術を受けることができません。患者様の既往症や病状をお伝えいただき、メリット・デメリットを考え合わせ歯科医師とともに相談しながら、安心安全なインプラント治療を検討しましょう。

治療を受けた後に「こんなはずではなかった」とならないよう、それぞれの治療法の特徴をメリット・デメリットともによく担当医から説明してもらい、きちんと納得した上で治療法を選択するようにしましょう。