こんにちは。愛知県名古屋市名東区にある歯医者「西山歯科」です。
矯正は子どもが行うものというイメージが強くありましたが、近年では大人になってから矯正を始める方が増えています。見た目の改善だけでなく、噛み合わせや歯の健康を長く保つためにも、大人の矯正は大きな意義があります。
ただし、成長期の子どもと異なり、骨格の成長が止まった大人には大人なりの治療法や注意点があります。
この記事では、大人でも行える矯正治療の種類やそれぞれの特徴、メリットやリスク、治療を始める前に知っておきたいポイントについて詳しく解説します。
大人でも歯列矯正はできる?
結論からいえば、大人になってからでも歯列矯正は十分に可能です。顎の骨の成長が終わっていても、歯に適切な力をかけることでゆっくりと動かせます。近年は、見た目や発音への配慮がされた装置も多く、大人向けの矯正ニーズに応える選択肢が広がっています。
見た目の改善はもちろん、噛み合わせや歯の寿命を考えた予防的な意味でも、大人の矯正は大きな意義があります。年齢だけを理由に矯正を諦める必要はなく、むしろ今後の健康を見据えて、前向きに検討すべき選択肢の一つといえるでしょう。
大人の歯列矯正はいつ始めればいい?
大人の歯列矯正を始めるタイミングは、気になったときが基本といえます。成長期とは異なり、成人は顎の骨格が完成しているため、治療開始の年齢に大きな制限はありません。
歯や歯ぐきの健康状態が保たれていれば、40代・50代でも矯正は可能です。歯並びや噛み合わせの乱れを感じた時点で、早めに歯科医師へ相談しましょう。
大人の歯列矯正のメリット・デメリット
ここでは、大人の歯列矯正の主なメリットとデメリットを詳しく解説します。
大人の歯列矯正のメリット
大人の歯列矯正のメリットは、以下のとおりです。
見た目に自信が持てる
大人が矯正治療を始める理由として最も多く挙げられるのが、見た目の改善です。歯並びが整うことで口元の印象が良くなり、笑顔に自信が持てるようになる人も少なくありません。
仕事や人間関係において第一印象が重視される場面では、整った歯並びがポジティブな印象を与える要素にもなります。
咀嚼機能の向上
見た目の変化だけでなく、噛み合わせの改善によって食事のしやすさや咀嚼効率の向上といった機能的なメリットも得られます。歯並びが悪いままでは、特定の歯に過剰な負荷がかかったり、正しく噛めなかったりすることがあります。
矯正により噛み合わせのバランスが整うことで、食事の際の不快感や消化への負担が軽減されるでしょう。しっかりと噛める状態を保つことは、消化器官の健康維持にもつながります。
虫歯や歯周病の予防につながる
歯並びが整うことで、歯磨きがしやすくなり、プラークがたまりにくくなります。そのため、虫歯や歯周病の予防にもつながります。
矯正によって歯の間の清掃性が向上すれば、口腔内全体の衛生状態も良好に保ちやすくなり、将来的に歯を失うリスクも下げられます。
健康寿命の延びにつながる
噛み合わせの安定は、口腔内だけでなく全身の健康にもよい影響を与えます。咀嚼機能が保たれることで、しっかりとした栄養摂取が可能となり、全身の健康維持や認知機能の低下防止にもつながるとされています。
また、歯を長持ちさせるという観点でも、歯列矯正は重要な役割を果たします。歯の位置が整えば咬合力の分散がスムーズに行われ、過剰な力がかかることによる歯の破折や摩耗も抑えられるからです。
大人の歯列矯正のデメリット
大人の歯列矯正のデメリットは、以下のとおりです。
治療期間が長くなる傾向がある
大人は顎の骨の成長がすでに終わっているため、歯の移動には子どもよりも時間がかかる傾向があります。また、骨の硬さや歯周組織の状態によっては、移動量やスピードに制限が出ることもあります。
治療計画は1年以上にわたることが一般的で、症例によっては2年以上かかることも珍しくありません。時間的な負担を理解し、無理のないスケジュールを立てることが大切です。
装置による違和感や審美性への配慮が必要
矯正中はブラケットやワイヤーといった装置を装着するため、話しづらさや見た目への影響を感じることがあります。人前に出る仕事をしている方にとっては、装置の見た目が気になることもあるでしょう。
歯周病や虫歯のリスク管理が必要
大人の場合、すでに歯周病や虫歯の治療歴があるケースも多く、矯正治療を始める前には口腔内の健康状態を十分に確認する必要があります。歯周病が進行している状態で無理に歯を動かすと、歯を支える骨がさらに失われるリスクがあるためです。
保険適用外のため費用負担が大きい
成人の歯列矯正は基本的に自費診療となるため、費用が高額になる傾向があります。装置の種類や治療内容によっても異なりますが、一般的には数十万円から百万円以上かかるケースもあります。
一括での支払いが難しい場合には、分割払いや医療費控除の活用についても相談し、経済的な負担を無理なく計画できるようにしておくと安心です。
大人の歯列矯正の種類
大人になってから矯正治療を始める場合、見た目や生活への影響、治療期間などを総合的に考慮した上で装置を選ぶことが大切です。近年は目立ちにくく、日常生活に支障をきたしにくい装置も多数登場しており、ライフスタイルに合わせた選択肢が広がっています。
ここでは、大人の矯正方法について、それぞれの特徴をご紹介します。
表側矯正(ワイヤー矯正)
最も一般的な矯正方法が、ワイヤーとブラケットを歯の表側に装着する表側矯正です。歯の一本一本をコントロールしながら細かく動かせるため、幅広い症例に対応できるのが大きな特長です。
透明や白色のブラケット、ホワイトワイヤーを使用することで、従来よりも目立ちにくくする工夫も可能です。確実性を重視する方に選ばれますが、装置が表側にあるため見た目への影響や口腔内の違和感が生じることもあります。
裏側矯正(リンガル矯正)
裏側矯正は、歯の裏側にブラケットを装着する方法で、外からはほとんど見えないのが最大のメリットです。矯正していることを周囲に気づかれたくない方にとって、非常に魅力的な選択肢となります。
ただし、装置が舌に近い部分にあるため、発音のしづらさや舌の違和感を覚える方もいます。また、技術的な難易度が高く、費用もやや高額になる傾向があります。
ハーフリンガル矯正
ハーフリンガル矯正は、上の歯には裏側矯正、下の歯には表側矯正を組み合わせた治療法です。笑ったときに見えやすい上の歯は目立たないようにしつつ、下の歯は違和感の少ない表側矯正で治療できるため、見た目と快適さのバランスがとれた方法といえます。
裏側矯正よりも費用を抑えることができ、舌側装置の違和感も軽減されるため、見た目もコストも考慮したい方に選ばれています。
マウスピース矯正
透明なマウスピースを一定期間ごとに交換して歯を動かしていくのが、マウスピース矯正です。装置は取り外し可能で、食事や歯磨きの際に外せるため衛生的に保ちやすく、見た目にも非常に自然です。
周囲に気づかれずに矯正を進めたい方や、仕事上の制約がある方には特に人気があります。
ただし、装着時間が短かったり、決められた使用方法を守らなかったりすると十分な効果が得られない可能性があるため、自己管理が必要です。また、重度の不正咬合には適応できない場合もあるため、事前の診断が重要です。
歯列矯正が必要かセルフチェック
自分の歯並びが本当に矯正の対象になるのか、判断がつかないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、自分自身で歯列矯正の必要性を確認するためのポイントをいくつかご紹介します。
噛み合わせがずれている
上下の歯を閉じたときに、前歯が正しく重ならなかったり、奥歯の接触が不自然に感じられたりする場合、噛み合わせにズレが生じている可能性があります。
特に、奥歯だけが強く当たる、前歯が当たらずすき間がある、または前歯が下の歯より内側にあるといった状態は、矯正の対象となることが多くあります。こうした不正咬合は、見た目だけでなく、咀嚼や発音にも悪影響を及ぼすため注意が必要です。
歯並びに凸凹がある
歯がデコボコに生えている、あるいは歯の重なりが気になるという状態は叢生(そうせい)と呼ばれます。顎の大きさと歯の大きさのバランスが取れていないことで生じやすく、歯磨きがしづらくなるため虫歯や歯周病のリスクも高まります。
特に、前歯の重なりは見た目の印象にも影響するため、審美的な観点からも矯正を希望する方が多く見られます。
前歯にすき間がある
前歯に明らかなすき間がある場合、空隙歯列(くうげきしれつ)と呼ばれる状態で矯正治療の対象となります。すき間があると、食べ物が詰まりやすくなったり、発音に影響が出たりすることもあります。
また、舌の癖が関与している場合も多く、早期に対応することで悪化を防げます。前歯のすき間は見た目にも気づきやすいため、気になっている方は矯正の適応を確認するとよいでしょう。
口呼吸や舌の癖がある
常に口が開いている、舌を前に出す癖があるなどの習慣がある方は、歯並びや噛み合わせに影響が出やすいです。これらの機能的な問題は、見た目だけでなく健康面でもリスクとなるため、歯列矯正と併せて口腔機能の改善を図る必要があります。
特に、成長期の子どもではこのような癖が骨格や顔貌の成長に影響を与えることがあるため、早期の発見と対応が重要です。
顎が痛む・音がする・開きにくい
顎関節に痛みや違和感、カクカクと音がする、あるいは口が大きく開かないといった症状がある場合、噛み合わせに問題がある可能性があります。歯列矯正で噛み合わせを整えることで、顎への負担を軽減できる場合があります。
見た目にコンプレックスを感じる
歯並びに対してコンプレックスを感じている場合も、矯正治療を検討する大きなきっかけとなります。自信を持って笑えない、人前で口元を隠す癖があるといった心理的な影響は、日常生活や人間関係にも少なからず影響を及ぼします。
歯列矯正は見た目の改善に直結する治療であるため、気になる点があれば気軽に相談することが推奨されます。
まとめ
大人になってからでも歯列矯正は十分に可能であり、見た目の改善だけでなく、噛み合わせや口腔内の健康維持にも多くのメリットがあります。近年では、目立ちにくいマウスピース型矯正や裏側矯正など、大人のライフスタイルに配慮した治療法も増えています。
自身に合った装置や治療計画を歯科医師としっかり相談しながら選ぶことが、成功への鍵です。見た目と機能の両面から歯の健康を見直し、将来を見据えた矯正治療を前向きに検討してみましょう。
歯列矯正を検討されている方は、愛知県名古屋市名東区にある歯医者「西山歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、一般歯科や小児歯科、ホワイトニング、インプラント、矯正治療など、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひ参考にしてください。