ママ友を誘って行きたくなるカフェのような歯医者。名東区の西山歯科

ママ友を誘って行きたくなるカフェのような歯医者、名古屋市名東区の西山歯科

歯科コラム column

「起きた時に顎が痛いけど何でですか?」 「日中食いしばりが気になるけどそのままでも大丈夫ですか?

歯科コラム2022/04/08

名東区の歯医者、西山歯科・院長、岩瀬です。

何となく気にはなっているけど痛みがあるのはたまにだし、様子を見ていこうと言われる事や、気をつけて意識していきましょうで済ませれていた事ありませんか?

自覚のない方も実はしているかもしれない歯ぎしりの悪影響と対処法についてお話していきます。

人は多かれ少なかれ、誰でも歯ぎしりをしているとも言われています。歯ぎしりは、自分で自覚している人もいる一方、自分で全く気がついていない場合というのも結構あります。

歯ぎしりというと、歯をギリギリと音を立てて強くこすり合せるイメージがありますが、音が全くしない歯ぎしりというものもあります。大半はこの音が鳴らない歯ぎしりに分類されます。
このような歯ぎしりの場合、歯ぎしりをしているという自覚がないまま放置されがちで、歯や顎などに様々な症状を出すことがあるので注意が必要です。

「私は歯ぎしりをしていない」と思っている方でも、「自分には関係ない」と思わずに、歯ぎしりについて知識を深めておきましょう。

<自分で出来る歯ぎしりチェック10項目>

  1. 日中、集中している時に上下の歯を当てたり、歯を食いしばっていることがある
  2. 朝起きた時に顎や頬の筋肉が張っている(こっている)ことがある
  3. 頬や舌に歯を押し付けた跡が残っている
  4. 歯ぎしりしていると近親者に言われたことがある
  5. 歯がすり減って短くなってきている
  6. 歯の根元が削れている
  7. 下の歯の内側や上の歯の頬側、上顎の真ん中に骨のコブがある
  8. 詰め物がよく取れたり、割れたりする
  9. 知覚過敏の歯が多い
  10. 歯に亀裂が多く見える

 

 

1.歯ぎしりの種類について

 

歯ぎしりといっても実はいくつか種類があります。一般的には次の3つに分類されています。

 

①グラインディング

 

一般的なイメージの歯ぎしりで、上下の歯をギリギリと音を立ててこすり合せるタイプのものです。音が大きいため、ご自分で気づかなくても、家族など、身近な人に指摘されることで自覚しやすいのが特徴です。

 

②クレンチング

 

歯をこすり合わせず、グーッと噛みしめるタイプの歯ぎしりです。こちらは音がしないため、非常に気づかれにくく、放置されがちです。また、強い力が持続的にかかり続けるため、歯に大きなダメージを与えてしまうことが少なくありません。

 

③タッピング

 

歯をカチカチと音を立てて、素早く噛み合わせるタイプの歯ぎしりです。

グラインディングは眠っている間に行われますが、クレンチングとタッピングは眠っている時だけでなく、起きているときにも行われています。

歯ぎしりによる様々な悪影響
歯ぎしりは、体重またはそれ以上の力が歯に持続的にかかると言われており、その結果次のような悪影響が出てきます

歯が大きくすり減る
上下の歯をギリギリこすり続けることにより、歯が大きくすり減り、歯の高さが低くなっていきます。

 

 

 

2.歯ぎしりの原因

 

歯ぎしりの原因は解明されていないのが実状ですが、ストレスなど色々な要素(多因子)が原因となることがわかってきています。

 

 

①ストレス
歯ぎしりの原因で最も有力なのがストレスです。肩こりなどと同じようにストレスによる筋の緊張によって口の周りの噛む筋肉が張ってコリを生じ、歯ぎしりが起こることが原因の一つです。

②歯並び
歯並びが悪くても年齢が若いうちは骨や筋肉が柔らかいために大きな影響はありませんが、年齢とともに筋肉や関節の柔らかさが失われてくると、歯並びの悪さを補うことができず、歯ぎしりが起こることがあります。

③噛み合わせ
顎の成長や詰め物などの歯科治療、歯周病による歯の動揺、老化、歯のすり減りなどによって微妙に変化する噛み合わせに対応するために歯ぎしりをするとの説もあります。

④日中の噛みしめ癖など
日中の噛みしめなど無意識に行っている癖が夜寝ている時に出てしまうこともあります。日中食いしばりや上下の歯を当てる癖がある人は筋肉が記憶していて、寝ている間も行なってしまうことが原因です。

⑤顎関節の形態変化
年齢と共に顎の関節は磨り減り、関節が平らになってきます。その形に合わせて歯の形も変化させるために歯ぎしりをしている可能性が指摘されています。

 

3.歯ぎしりが原因で起こす症状

 

①歯周病が悪化しやすくなる

 

歯周病を悪化させる要因として、「歯にかかる異常な力」というのがあります。歯ぎしりは歯に持続的に強い力をかけるため、歯周病が加速度的に悪化してしまう可能性があります。

 

②歯が欠ける・割れる

 

歯に強い力がかかり続けると、歯が欠けたり割れたりすることもあります。これが原因で歯を失うことも珍しくありません。

 

 

③知覚過敏を起こす

 

歯の根元に強い力がかかり続けるので、その部分のエナメル質が剥がれ、知覚過敏を起こしやすくなります。また、歯の噛む面が大きく磨り減って象牙質が露出したり、歯に細かな亀裂が入ったりすることでも知覚が過敏になります。

 

④詰め物・被せ物・差し歯が脱離(外れる)やすくなる

 

歯に詰め物や被せ物、差し歯などの人工物が入っている場合、歯ぎしりによる強い力によって頻繁に脱落することがあります

 

⑤顎関節症状を起こす

 

歯ぎしりによって周囲の筋肉が緊張状態になり、顎関節にも大きな負担がかかり続けます。その結果、口が開きにくくなったり、口の開け閉め時に雑音が鳴ったり、顎の周囲に痛みが出たりする顎関節症の原因になります。

また、それに付随して頭痛や肩こりなどの不快症状が現れることも珍しくありません。

 

⑥歯が削れて短くなってくる

 

歯ぎしりによって自分の歯の噛む面が削れ、歯が短くなって、場合により、しみるようになります。歯ぎしりしている方は強い力で歯を擦り合わすので歯が削れてしまい、歯の長さが短くなり、場合によっては虫歯でもないのに神経に近づいて痛みを生じるようになります。

 

⑦噛むと歯が痛い、違和感がある

 

歯ぎしりによって歯が揺さぶられると噛んだときに痛みや違和感を感じるようになります。歯には歯根膜という、噛んだ時に硬いもの、柔らかいものなど感じる膜があります。歯ぎしりによりこの膜に強い力がかかり、損傷すると噛んだ時に痛みとして感じます。

 

⑧骨がコブのように盛り上がってくる

 

歯ぎしりや食いしばりが多い方は骨隆起(こつりゅうき)といって骨がコブのように盛り上がることがあります。下顎の小臼歯部の内側や上顎の天井(口蓋)の正中部にコブのように骨が盛り上がることがあります。基本的には骨が盛り上がってきているだけなので、そのままにすることも多いのですが、入れ歯などがそのコブのせい入れることが、できない場合は削り取ることもあります。

 

 

⑨肩が凝る

 

歯ぎしりによって噛むための筋肉(咀嚼筋)が緊張し、そのことが首や肩の筋肉のはりやこりにつながり肩こりが出現することがあります。 歯ぎしりの間は無意識のうちに強い力で噛み締めます。その時、噛む力を出す筋肉は肩や首、頭の方まで繋がっており、その筋肉が緊張することによって肩や首筋が凝ったりします。

 

⑩頭痛

 

歯ぎしりによって頭痛などを起こすことがあります。歯ぎしりのとき動く筋肉の中に顎から頭の横まで繋がっている筋肉(側頭筋)があることや、顎や首周りの筋肉のコリが頭痛の原因になることがあります。

 

⑪顔(えら)が大きくなる

 

歯ぎしりの時に使う筋肉は顔の周り、とくに顎のえらの部分に付いている筋肉(咬筋)です。歯ぎしりがある方はこの筋肉が発達し、えらの部分が張り出してがおおきくみえてしまうことがあります。

このように、歯ぎしりを放置しておくと様々な悪影響を及ぼします。
歯の痛みから体に影響が出るまで幅広く症状があるので、気になる方は一度早めに受診する事をおすすめします。

 

3.歯ぎしりの対処法

 

眠っている間に歯ぎしりをすることは誰にでも起こり得ます。でも、その程度が軽度であれば特に問題になることはありません。

ですが、歯ぎしりを頻繁にしていて、歯ぎしりによる悪影響が出ているようであれば、歯や顎関節に大きなダメージを与える前に対処することが大切です。

歯ぎしりを周りの人に指摘されたことのある人、歯が大きく磨り減っている人、歯が冷たいものにしみやすい人、朝起きた時に顎が疲れていたり、痛みがある人などは一度歯医者さんで相談してみましょう。

歯ぎしりへの対処法として多く行われているのは、眠っている間に歯ぎしりから歯を守るマウスピースを装着する方法です。日中に歯を食いしばったり、歯をカチカチ合わせる癖がある場合には、それを意識してやめることも大切になってきます。

また、飲酒やストレスなども歯ぎしりを悪化させる原因となりますので、アルコールを控えたり、ストレスを溜めない、というようなことも根本的な解決法として大事になってきます。

歯ぎしりに心当たりのある人は一度歯科医師に相談してみましょう。

 

①ボトックスによる治療

 

無毒化したボツリヌス菌を過度に緊張した筋肉に入れ、筋肉の動きを弱めて過緊張を取ります。これは眉間や顔のシワを取るために美容外科などで使われているものを歯ぎしりの筋肉に応用したもので注射で6~10か月くらいもつと言われています。また、発達しすぎた咬筋を小さくしてえらがまだたりなくなり、小顔にする効果もあります。

 

②噛むための筋肉のマッサージ

 

緊張している筋肉の凝りをほぐし、口の周りの筋肉をリラックスさせます。筋肉の張りを取ることによって小顔にもなります。

 

③マウスピースによる治療方法

 

マウスピースによって歯や歯の詰め物、被せ物(ほてつ物)を守る方法があります。マウスピースは人工のものなので削れてしまっても作り直すことができますが、歯や詰め物、被せ物が壊れて、歯の一部や歯の神経を失ってしまうと元に戻すことはできないのです。
歯ぎしり用マウスピースは歯科医院で簡単に作成できます。歯ぎしり用マウスピースは主に寝ている間に歯ぎしりによる歯へのダメージを減らすために使われます。しかし、歯ぎしりから歯を守るだけではなく、知覚過敏、歯根膜炎、顎関節症、咬耗(こうもう)、セラミックの破折防止、歯牙破折、歯周病にも効果的です。 マウスピースに関しては、歯を削る必要性もないので多くの患者さんがご自身の歯を守る為に装着して頂いています。

 

 

④噛み合わせの治療方法

 

噛み合わせが悪いことが歯ぎしりの原因のすべてではありませんが、正しい噛み合わせにすることはバランスをとってストレスを軽減することに重要です。抜いた歯や治療途中の歯、痛い歯などをきちんと正しいかみ合わせで治すことによって、原因の一つを取り除くことができます。きちんとしたかみ合わせのために矯正治療を選択するのもよいでしょう。