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歯科コラム column

「歯ぐきが黒くなってきたんですが治りますか?」

歯科コラム2022/05/17

名東区の歯医者、西山歯科・院長、岩瀬です。

「歯ぐきが黒くなってきたんですが治りますか?」

鏡で歯ではなく歯ぐきを見てみて下さい。意外と黒ずみがある箇所はありませんか?

歯茎が黒くなる原因には、歯周病や、銀歯などが溶け出したメタルタトゥー、喫煙による色素沈着などが考えられます。歯茎の変色を放っておくと、歯や歯茎の異常を見逃してしまうおそれがあるので一度歯科を受診して確認し、原因が何か確認する事が必要になります。
治療によって歯茎をもとの色に戻すことは可能ですが、治療と同時に生活習慣や口腔ケア方法を見直して、歯茎の健康を維持することが大切です。

 

1.喫煙習慣が歯茎を黒く変色させる理由

 

健康的な歯茎がピンク色をしているのは、歯茎の中にある毛細血管が透けて見えているためです。タバコを吸うと、ニコチンの影響で歯茎の毛細血管が収縮し、血管内を流れる血の量が少なくなるため、歯茎が黒ずんで見えるようになります。

また、タバコを吸うと有害物質から歯茎を守るためにメラニン色素が作られます。通常、メラニン色素の働きは体内のビタミンCによって抑制されますが、タバコを吸うと体内のビタミンCが大量に消費されるため色素沈着がおこりやすくなります。喫煙歴が長くなるほど、歯茎はどんどん黒ずんでしまうと言われています。

 

 

2.喫煙が原因で起こるトラブルは歯茎の変色だけではありません

 

タバコを吸うと歯茎の毛細血管の流れが悪くなり、歯茎に酸素や栄養が行き渡りにくくなります。すると、細菌への抵抗力が落ち、歯茎や骨などの組織が炎症をおこす歯周病のリスクが高まります。歯周病は重度になると歯が抜け落ちてしまう怖い病気なので、早めの治療が必要になります。

また、喫煙によって唾液の分泌が抑制されると、唾液による自浄作用が弱まることで、歯に歯垢や歯石が付きやすくなります。口腔内環境の悪化は口臭の発生にもつながるので、喫煙者は非喫煙者と比べて歯周病や口臭のリスクが高まりやすいです。

 

 

①喫煙は歯周病の進行を促します

 

タバコには200種類以上の有害物質がふくまれていることが知られています。このうち、「ニコチン」「タール」「一酸化炭素」は三大悪性物質と考えられています。
喫煙によって、ニコチンやその他の有害物質が体内に取り込まれると、免疫力の低下が起こり、細菌感染が起こりやすくなります。加えて、ビタミンCが消費されることによってもさらなる免疫力の低下が起こりやすくなります。一方で、ニコチンや一酸化炭素はヘモグロビン濃度の低下を起こします。そのことによって、歯周ポケット内の酸素分圧が低下し、嫌気性の歯周病菌が繁殖しやすくなります。さらに、タールが歯に付着すると、歯垢や歯石が付きやすくまた取れにくくなります。これらのことによって、タバコで歯周病が起りやすくまた進行しやすくなると考えられています。
ある統計データによると、1日10本以上喫煙している方は、歯周病にかかるリスクは5.4倍となるだけでなく、重症化もしやすいとのことです。ちなみに、肺癌に罹患するリスクは4.5倍となっていますから、喫煙が歯周病に悪影響を及ぼすことは明らかです。

 

②喫煙は歯周病の治療を妨げる

 

喫煙者は歯周病に気づきにくくなります。これは、タバコに含まれるニコチンの血管収縮作用によることが考えられます。本来なら歯周病によって歯肉の腫れや出血がみられるべきところであっても、ニコチンの影響でこれらの症状が抑えられるため、歯周病に気づきにくくなるのです。
また、タバコは歯茎の血流量を低下させ、粘膜上皮細胞や繊維芽細胞などの機能や増殖を抑制します。このことによってたとえ適切な歯周治療を行っても、歯茎の修復機能の低下により治癒が進まず、歯周病の治療の妨げとなるのです。喫煙者は、治療が難しくなるだけでなく、たとえ治療が成功したとしても再発リスクが高いことから、高度な歯周治療には向かないかもしれません。

 

③禁煙の効果

 

禁煙すると比較的早期に影響がでてきます。数日後には歯茎の血流量は増えてきます。次いで、炎症によって歯肉内溝から分泌される歯肉溝滲出液の減少が見られるようになります。禁煙1年後ぐらいから、歯の喪失リスクは低下しはじめ、10年以上たつと非喫煙者とほぼ同じレベルにまで回復します。手術を伴う歯周治療の治癒経過も非喫煙者とほとんど差がなくなります。 このようにたとえ喫煙者であっても、禁煙することで歯周病のリスクを下げることができます。ちなみに、肺がんにかかるリスクは、喫煙者では4.5倍ですが、禁煙すると4年で2.0、10年で1.4倍とそのリスクは下がってきます。
受動喫煙によって、肺がんやその他の病気と同じように、歯周病のリスクも高くなることが知られています。ご自身の健康のためだけでなく、周囲の方のためにも禁煙は大きなメリットがあると思います。

 

3.銀歯などが溶け出したメタルタトゥー

 

メタルタトゥーとは、歯科治療の素材として使った金属が経年劣化によって溶け出し、歯茎が帯状または斑点状に黒く変色した状態です。もし、過去の歯科治療で被せ物や詰め物に金属を使ったことがある場合は、歯茎の変色が喫煙によるものではなく、メタルタトゥーである可能性も疑われます。

歯茎の黒ずみがメタルタトゥーである場合は、歯茎の色を元に戻すために金属を除去したり、場合によっては外科的な処置が必要になることもあります。

 

 

①レーザー治療(歯茎の黒ずみ除去)

 

歯茎のメタルタトゥーや喫煙による色素沈着を取り除くには、歯科用レーザーによる治療が有効です。レーザーを歯茎に照射すると、レーザーが黒色に反応しメタルタトゥーの部分のみを除去することができます。治療の際は麻酔を施すため、痛みを感じることもなく、メスを使わない為、出血もほとんどありません。

黒ずみに関しては、それぞれの状態により原因除去を行えば改善出来る事が多いですが、喫煙は黒ずみの原因の一つとしてだけでなく、歯周病や全身に影響を及ぼす事があります。

喫煙者の方は、大事なお体を壊さないように禁煙される事をお勧め致します。