こんにちは。愛知県名古屋市名東区にある歯医者「西山歯科」です。
歯周内科治療は、従来の外科的な歯周病治療とは異なり、薬を使って歯周病菌をコントロールする治療法です。原因菌を特定し、抗菌薬や除菌剤を使用することで、効率的に歯周病を改善します。
歯周病を放置すると、歯を支える骨が破壊され、最悪の場合、歯が抜け落ちることもあります。
この記事では、歯周内科治療の基本的な流れ、治療費用、そしてメリット・デメリットについて詳しく解説します。
歯周内科治療とは
歯周内科治療は、薬剤を用いて歯周病の原因菌を除菌し、症状を改善する治療法です。従来の外科的処置や歯石除去だけに頼らず、原因菌を特定して効果的にアプローチするため、再発リスクを抑えることが期待できます。
以下に、歯周内科治療の特徴について解説します。
細菌検査による原因菌の特定
歯周内科治療では、位相差顕微鏡やDNA検査を用いて、口腔内の歯周病菌を特定します。代表的な原因菌には、ジンジバリス菌やスピロヘータ菌があり、これらが歯ぐきの腫れや出血を引き起こします。
原因菌を特定することで、適切な薬剤を選定し効率的に治療を進めます。
薬剤による除菌治療
特定した原因菌に対し、内服薬や除菌薬でアプローチします。短期間で炎症や腫れが改善することが期待できます。
除菌治療では、抗生物質や除菌剤が使用されます。
バイオフィルムの除去
薬剤治療後、歯ぐきの奥に潜む細菌の巣であるバイオフィルムを除去します。これにより、細菌の再増殖を防ぎ、治療効果を長く維持できます。
歯周内科治療の流れ
歯周内科治療は、薬剤を使って歯周病菌を除去する治療法です。従来の外科的アプローチとは異なり、細菌検査から除菌まで段階的に進めます。
以下に、一般的な歯周内科治療の流れを解説します。
初診・カウンセリング
最初に、口腔内の状態を確認し、歯周病の症状や進行度を診断します。歯ぐきの腫れや出血、口臭などの症状をヒアリングし、歯周病が疑われる場合は歯周内科治療を検討します。
細菌検査
位相差顕微鏡やPCR検査を用いて、口腔内の細菌の種類や数を特定します。主な原因菌であるスピロヘータやジンジバリス菌が検出されれば、歯周病の進行度や治療方針が明確になります。
治療方針の説明と薬剤処方
検査結果に基づいて治療計画を立て、細菌の種類や治療方針を説明します。原因菌にあわせて、抗菌性うがい薬などの薬剤が処方されます。
薬剤の服用と除菌処置
処方された薬剤を服用し、歯周病菌を徹底的に除去します。同時に、歯科医院で以下の処置が行われます。
- 除菌洗浄
- バイオフィルム除去
洗浄することで、過酸化水素水や抗菌薬で口腔内を洗浄し、細菌の活動を抑えます。バイオフィルムを除去すれば、細菌の巣がなくなるので再発を防ぐ効果が期待できます。
歯石除去・クリーニング
薬剤による除菌後、歯ぐきの奥深くに付着した歯石やプラークを除去します。スケーリングやルートプレーニングなどの専門的なクリーニングを行い、歯周ポケット内を清潔に保ちます。
経過観察とメンテナンス
治療後は、歯周病の改善状態を定期的に確認します。歯ぐきの腫れや出血が落ち着いているかをチェックし、再発防止のために以下を実施します。
- 定期的なクリーニング
- セルフケア指導
1〜3ヶ月に1回の頻度でクリーニングを行い、口腔内を清潔に保ちます。正しい歯磨きやデンタルフロスの使い方を指導し、家庭でのケアをサポートすることも重要です。
歯周内科治療の費用
歯周内科治療は保険適用が限られているため、費用はクリニックや治療内容によって異なります。ここでは、一般的な費用相場と内訳、保険適用の有無について解説します。
歯周内科治療の費用相場
歯周内科治療は自費診療となることが多く、費用相場は2万円〜5万円程度です。細菌検査や薬剤処方、除菌処置、歯石除去など、治療工程ごとに費用が発生する場合があります。
費用の内訳
費用の内訳は、以下のとおりです。
細菌検査費用
治療前に、位相差顕微鏡やPCR検査を用いて歯周病菌を特定します。費用は5,000円〜1万円程度です。検査により、口腔内の細菌の種類や数を確認し、治療方針を決定します。
薬剤費用
歯周病の原因菌に対して、抗生物質や除菌剤が処方されます。薬剤費用は5,000円〜1万円程度です。
除菌処置費用
口腔内の洗浄やバイオフィルム除去を行います。費用は1万円〜2万円程度です。口腔内を徹底的に清掃し、細菌の再増殖を防ぎます。
歯石除去費用
薬剤による除菌後、歯ぐきの奥に付着した歯石やプラークを除去します。スケーリングやルートプレーニングといったクリーニング費用は5,000円〜1万円程度です。
保険適用の範囲
歯周内科治療には保険が適用される場合もあります。保険と自費の組み合わせによって、治療費を抑えられる可能性があるため、事前に歯科医院で確認しましょう。
保険が適用されるのは、スケーリングやルートプレーニングなどの処置です。細菌検査や薬剤による除菌など、特別な処置には保険が適用されない可能性があるでしょう。
追加費用について
治療後も経過観察する場合は、追加費用が発生します。再検査の費用としては5,000円〜1万円程度、メンテナンス費用として5,000円〜1万円程度かかることが多いです。
歯周内科治療のメリット・デメリット
歯周内科治療は外科的治療に比べて痛みが少なく、根本的な原因にアプローチできる一方、注意点や限界もあります。以下に、歯周内科治療のメリットとデメリットを解説します。
歯周内科治療のメリット
歯周内科治療のメリットは、以下のとおりです。
痛みが少ない
薬剤を使用するため、外科的な切開や縫合が必要ありません。そのため、治療中の痛みや治療後の不快感が少なく、麻酔を使う必要もほとんどありません。痛みに敏感な方や外科治療に抵抗がある方に選ばれています。
短期間で治療が可能
薬剤による除菌効果で、短期間で歯周病の症状が改善されることが期待できます。数回の通院で治療が完了するため、忙しい方や治療期間を短くしたい方にも行います。
細菌の根本的な除去
細菌検査を通じて原因菌を特定し、抗生物質や除菌剤で根本的にアプローチするため、再発リスクを抑えやすいです。従来の治療よりも効果的に細菌を減少させ、健康な口腔環境を維持しやすくなります。
口臭の改善
歯周病菌を除去することで、歯ぐきの腫れや出血だけでなく、口臭も改善されます。口臭が気になる方にとって、大きなメリットです。
歯周内科治療のデメリット
歯周内科治療のデメリットは、以下のとおりです。
保険適用外だと費用が高い
歯周内科治療は自費診療となることも多く、保険が適用されません。費用相場は2万円〜5万円程度で、細菌検査や薬剤費、除菌処置が含まれます。経済的負担が大きくなるため、事前に費用を確認する必要があります。
治療効果に個人差がある
薬剤による治療効果は、患者さまの口腔内の状態や細菌の種類によって異なります。適切に薬剤が効かない場合や、症状が改善しないケースもあります。
自己管理が重要
治療後のセルフケアが不十分だと、歯周病が再発する可能性があります。正しい歯磨きや定期的なクリーニングが必要で、患者さま自身の意識や習慣が治療効果に大きく影響します。
重度の症例には向かない場合がある
歯周病が重度に進行している場合、薬剤のみの治療では改善しないことがあります。骨の吸収が進んでいる場合や、歯がグラついている場合は、外科的処置や抜歯が必要になることもあります。
まとめ
歯周内科治療は、薬剤を用いて歯周病の原因菌を除去する治療法です。従来の外科的なアプローチとは異なり、痛みが少なく、短期間で治療が完了するのが特徴です。
治療の流れは、細菌検査で原因菌を特定することから始まり、抗生物質や除菌剤を使用して菌を除去し、歯石除去やクリーニングで仕上げます。費用は2万円〜5万円程度が相場です。
歯周内科治療のメリットには、痛みが少ないことや根本的な原因菌除去、口臭改善が挙げられます。費用が高いことや、重度の症例には向かないデメリットもあります。
再発防止には、治療後のセルフケアと定期的メンテナンスが重要です。
歯周内科治療を検討されている方は、愛知県名古屋市名東区にある歯医者「西山歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、一般歯科や小児歯科、ホワイトニング、インプラント、矯正治療など、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひ参考にしてください。